ひまわりが咲く頃に
一時間目のHRが終われば、一斉に皆はあたしの後ろの席…瀬戸優木を取り囲んだ。
まるで王子様スマイルと言ったような微笑みの瀬戸優木は、どこか憎めない。
休憩時間になれば女子は猫をかぶったような声を出して寄り付いていく。
美穂はあたしの隣でそれを見つめているだけ。
「行かないの?瀬戸優木のところに」
「う~ん…だって皆いるし、話してても釣り合わないだろうし」
意外に消極的な美穂をあたしは初めて見た。
いつもは必ず化粧に時間をかけて、制服は誰よりもオシャレに着こなしている。
髪だって流行の髪型にしたりとか…とにかくあたしより何十倍って程女に磨きをかけている美穂。
何があっても笑顔で元気な性格だから、意外にも意外すぎる。
「美穂可愛いからいけるって!」
「全っ然…まだまだ自分を磨かなきゃだもん」