street love
放課後。

美波とあずさはいつも通りに帰ろうとしていた。


「ねぇ今日、久々にどっか寄ってく?」

「いいね。行こ行こ!けど、あずさ…今日から例の家庭教師が来るんじゃないの」

「………げぇっ忘れてた。あっでも一時間くらいなら大丈夫だよ。カテキョー4時からだし」

「そう。じゃ行く?」

「うん」

二人は靴を履き換え、校門の所へと向かっていた。
歩きながら喋るのに夢中で気付かなかった美波だが、あずさが校門の所に誰かがいる事に気付き、肩を叩いて教える。


「ちょっとあれ、先輩じゃない」

少し先の方を指差す。


「あ…嘘ぉホントだぁ…何でよ」

「先輩こっちに気付いた。どーするの…」

「しかもこっちに来る。隠れなきゃ」


反射的に後ろを向こうとする。


「もうバレてるんだから隠れてもしょうがないよ」


美波はあずさの肩に手をかけて弱々しく言う。


「うぅ…助けて。あずさぁ」
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