street love
「もうちょいでクリスマスだってのに、私はなんて不幸な女の子なんだろう。クリスマス前に浮気されてさ」


急に凹む美波に
透かさずフォローする。


「別にそんなに不幸ってわけでもないよ。私も一緒だよ。今年も、きっとホームパーティかなぁ」

「クラスでパーティとかあったら行こうかな。あずさも行こうね」

「そうだね。でも何か段々慣れてきたかも。クリスマスって言っても普段と変わらない」

「あっそーいや。あの家庭教師のセンセって彼女いたりするの?」

「初めて来た日にちょっと聞いてみたりしたけど、はぐらかされたよ。あれは多分いると思う」

「はっきり答えてないのに?」

「聞いたら今は勉強だろって言われちゃったし、それにあのルックスじゃ…」

「じゃまだいるかどうか、分かんないじゃん。ゲットゲット!」

「ゲット…って言われても、私はあーゆうクールな人って好みじゃないし」

「分かんないよ。そーゆう風に言ってる人に限って後で好きになっちゃったって言うんだよ」

「有り得ない。私のタイプは明るくて楽しい人なの。美波も先輩と何とかしないとね」

「はぁ…私は別れたいって言ってるのに、アイツしつこい」

「あっ私いい事考えた!」

「何?面白い事?」

「先輩を諦めさせるために、あのキザな彼と付き合うってのはどう?」

「は?なぜそこにヒビキ君が出てくるの!?」

「だって前に付き合おうって言われたんでしょ?この際だから付き合っちゃったら、そしたらきっと先輩だって諦めるよ」

「もぉ人事だと思ってぇ〜確かに告られたけど何か付き合う気は」

「どうして、いいじゃない」

「……はぁ」
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