street love

6.浮気男との決着

(「時間を下さい。なんて言ったけど、これからどうしよう。まさかヒビキ君が本気だなんて…」)



2日後の26日。

美波はあずさと街中の
喫茶店でお茶をしていた。


「はぁ…」

「ねぇ何かあったの?さっきから溜め息ばかりだよ」

「別に…」

「やっぱ何かあったんでしょ」


あずさは何となく見抜いていた。



「実はね」

「何?」

「うん。それがね………」


美波は小声で言った。


「そーなのぉ」


教えたが呆気ない。


「なんだぁ…もっと驚くと思ってたのに」

「何となく分かった気がしたから」

「まさかヒビキ君が本気だなんてすっごくマジな顔してたの」

「でも良かったじゃん」

「えー良くないよ。まだアイツの事、ケリついてないのに」

「で、美波はそのヒビキ君の事は好きなの?」

「えっ」

「付き合ってくれって言われたんでしょ」

「うん、そうだけど。好きって聞かれても」

「じゃあさ。好き?嫌い?」

「どっちかって言われたら、ヒビキ君は好きだけど」

「だったら…」

「けど、付き合うとかだと…自分の本当の気持ちは分からない」

「まぁ恋なんてそんなもんかもしれないね」


その時だった。イヴの日の響の言葉が美波の脳裏に浮かぶ。

(「好きだよ…」)



告白の台詞で
美波は顔を紅くした。


「どうしたの?顔が真っ赤だよ」

「あ…何でも……何でもないよ」



この場はごまかしたが
美波の中では気持ちが少しずつ
響に向かってきていた。
< 39 / 78 >

この作品をシェア

pagetop