street love
『ねぇねぇ誰だろう。正門の所にいる人』
『超カッコイイよね』
『ウチのガッコに彼女でもいるのかな』



美波が周りの
話に耳を傾けていると
あずさが冗談っぽく言ってきた。



「へぇ誰かいるみたいだね。もしかして美波の彼氏だったりして」

「まっまさか〜違うよ」



外靴に履き替えて
正門の方へ歩いて行くと騒ぎが大きくなっていた。

話をしながら、正門へ近付くと急にあずさは足を止める。



「どうしたの?」

「ねぇちょっと美波、あの赤いコート着てる人こっち見てる」

「え?あっあれはヒビキ君」



誰も着ないような
目立つ赤のロングコート姿で
ストレートの黒髪に目鼻立ちが良過ぎるホスト系なルックスの男がいるとなれば、女の子が騒ぐのも当たり前なのかもしれない。



「あの人が彼?」

「うん」

「予想以上にカッコイイ人だね」

「でも何で学校に…」

「美波に会いに来たんじゃん。もう私の事はほっといて彼氏のとこに行っていいよ!」

「あずさ…うん。ごめん、ありがとう」



美波は響の方へ向かって行く。
響も美波の方へやって来る。
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