street love
映画館に着き、中に入ると余り人はいなくてガラガラ状態で少人数の客しかいない。

二人は飲み物だけ買い
一番後ろの席に座り
始まるのを待っていた。


それから上映が始まり
30分程経ったが
内容が難し過ぎてしかも字幕で日本語訳を読むのにやっとの美波だったが響は普通に観ている。



(「はぁ…この映画、面白いんだか…そうじゃないのか全然分かんないよ。けど、せっかくヒビキ君に誘われたんだから、ちゃんと観なきゃ」)



更に時間が経つ。

美波は気になって
ふと響の方を見た。
すると気付かれてしまい
響もこっちを見てきた。

薄暗い映画館の中で見つめられると余計にドキドキしてしまう。



「面白い?この映画」

「え…うん」

「何か、ストーリー難しいかな」

「ちょっと…でも平気」

「別の映画が良かったかな」

(「ヒビキ君」)

「でもホントは何でもいいんだ。ただこの雰囲気が好きで…キミと一緒に居れるし」

「え……」



ドキっとしているのも
つかの間、響に見つめられて顔が近付いてきた。



「好きだよ」



響の唇が
そっと美波の唇に重なる。


まるで映画のヒロイン気分に
なってしまった美波は
すごく幸せを感じた。
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