street love
(「何あれ最低!もう知らない!バカ有野」)

美波は元の道を引き返そうと、くるっと後ろを向いた途端に携帯電話が鳴り出した。

(「こんな時に誰?」)

バッグから携帯電話を取り出し、確認すると有野の名前が表示される。さっきまで知らない女とディープキスをしていたような男と話す気などない美波はそのまま留守電設定にする。

電話を掛けてきた有野はメッセージを入れた。
『俺だけど、美波…ごめん。今日行けなくなった。突然バイトが入ってさ。この埋め合わせはまた今度するからそれじゃまた連絡するから』
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