street love
「誰にあげるの?」

「………」

「じゃイエスかノーで答えてね。あげる相手はズバリ、カテキョーの先生?」

「………」

「そーなんだ」

「違うよ」

「じゃ誰?」

「美波、ツッコミ過ぎ」

「やっぱカテキョーの先生?」

「違うよ。私、別に先生の事、何とも思ってないから」

「ホントぉ?」

「だって先生、彼女いるし」

「え」

「去年のクリスマスイヴの日、彼女と歩いてるとこ見たもん」

「うっそ」

「すっごくキレイな人だったよ」



家庭教師の話をしていた
あずさの表情は何だか恋しているかのように美波には見えた。



「もしかして好きなの?」

「あのね。実は……」



あずさが少し照れながら
何かを言おうとしたが急に表情が変わって言いかけた事をやめた。



「どーしたの?」

「今は言えないから後で話すよ」

「えー気になるじゃん」

「今度話すから」

「うん。分かった」
< 61 / 78 >

この作品をシェア

pagetop