street love
「何か、御用ですか?」

「やっと振り向いてくれた」

「だから何ですか?私、急いでるんですけど」

だが美波に声を掛けてきた人は案外ルックスのイケている男で、有野よりも百倍カッコ良く見えた。第一印象としてはホスト系。

「ごめん。急いでたの!?」

「そ、そうだけど…(何この人、カッコイイ…て私、何考えてるんだろ。イケてる顔だからってナンパしてくる男なんて、ロクな奴じゃない)」

「どうしたの?急に黙っちゃって」

「あ、別に何でもないです。とにかく私、急いでるので失礼します」

美波は走ってその場から逃げる。

(「何だったの?今の人…」)


一方のナンパ男は美波の後ろ姿を見ながら一言呟いていた。

「可愛いな…あの子」
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