君と、ボール。
君が「一緒にいよう」って。
そう言ってくれる気がしてた。

でも。
こんなちっぽけなことでケンカしてるようじゃ、
そんなの遠い夢だね・・・。


バカみたい。



夢は夢。
叶えるための、努力をしなければ叶わない。
私は努力をする術を知らないちっぽけな生き物。

一緒にいたい・・・。

そう深く願った。

涙が一粒。


太陽が照らす、アスファルトへとこぼれた。



「・・・・・・っ」


知らないうちに、涙が溜まってた。

急に気温が上がったせい。

そのせいで、こんなにも哀しい目に・・・。


「っふっ・・・・ヒック・・・」


立ってることもできなくて、あたしは道路の真ん中にしゃがみこんだ。
泣きたくて、とは違う。

なぜだか、涙があふれてくる。
もう、枯れるんじゃないかってくらいに。


「いや・・・・・やだ・・・・・」


頭の中に浮かぶのは君のことばかりだよ。
全部君との思い出。
一瞬一瞬が頭に焼きついてる。

君の笑顔。



そんなのよりも、



大好きだよ。




君の視線。



君の瞳。






君と、ボール。





< 16 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop