君と、ボール。

学校が終わった日。

今でもすごいハッキリ覚えてるよ。
綺麗に晴れた、秋の夕方。

周りと男の子達に連れられて、恥ずかしがりながら。



知ってた?

私だってあの時すごく恥ずかしかったんだから。
みんなにニヤニヤされながら2人きりにされてさ。

「俺も・・・好きっぽいかも」

なんて真っ赤になって言う君は私を見てなかった。
いつも照れてて、私を直視できないでいたでしょ?

ちょっとさみしかったけど。
照れる君を見てたら憎めなくて。

そんな照れてる顔も、少しはにかんだ笑顔も。


大好きだったんだ。

占いでは私たち相性悪い、なんて言うけど。
私はそんなの全然信じなかったよ?

だって君は私の特別だったもの。



いつも。いつも。
みんなに優しくて。



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