君と、ボール。
"おはよ。今日は試合だー。"
"明日って体育ある?"
"マジ!?バスケやりてーな。"
懐かしい。
ホントに、いつもスポーツのことばっかり。
君は絵文字なんかメンドクサイから絶対に使わないって言ってた。
びっくりマークとか、句読点ばっかりで。
いっつも私だけケータイとにらめっこして、デコメに張り切ってた気がしてた。
でも、違った。
今読み返してみて、分かったの。
今まで、なんできづかなかったんだろう?
メールの最後。
ずっと下にスクロールしていけば・・・。
"好きだよ。"
"お前の今日の髪型好き!"
君は、ちゃんと伝えていてくれた。
私が悪かったのに。
あんなケンカまでして。
「サイテーだ・・・」
誰もいない公園で1人呟く。
とても、君らしい工夫。
恥ずかしがり屋のきみは、これでも精一杯なんだろうね。
こんな宝物、はじめて受け取りました。
目がしらがじん、となってケータイの液晶画面には涙が落ちる。
「全部、読んだよ。メール。」
なんだか君に言いたくなって、気付いた時には発信ボタンを押してた。