君と、ボール。



「俺は・・・・・俺は・・・・・」







「お前のこと、大好きだ。」



一瞬、自分の耳を疑った。


ウソでしょう?


その言葉しか浮かばない。




「俺の傍から離れんな。お前の差し入れがねーと、生きていけねぇ。」


嬉しかった。
口ベタな君がここまで言ってくれるなんて。



でもね。

私には耐えられる自信がないんだよ?

遠距離で続けられる自信がないの。


「俺は誓う。お前以外の女は見ない。」

「ホントに?」

「マジで、だ。」

「ねぇ、好きだよ」

「知ってる。」


「今、会いたい。」




そう言って一方的に電話を切ってから5分もしない内。
君はホントに来てくれた。


優しく、抱きしめてくれた。







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