君と、ボール。
私たち女子も気合い入れて応援してた。

皆タオルとか振り回しちゃって。

「キャー!!」

なんて。



君はキャプテンだったし、一番背も高かったからポンポンシュートを打ってた。
で、すごい入るの。


まるでボールが体の一部みたい。
すべてが君の思い通りで。
一回戦は軽々突破。


男子だけじゃなく、応援してた女子まで感動。



コートに立って笑ってる君を見てた私。
こっちまでニヤニヤしてきちゃって。

でも君はそんなの気にせず、私だけに笑顔を見せて。
ピースサインして。
大声で


「約束した通り、次も勝つかんな!!」

って。


私は恥ずかしくて、引っ込んじゃいそうになった。



嬉しい。
嬉しすぎる。


君はいつも私が喜ぶことをしてくれるね?
なんで分かるんだろう?

やっぱり、運命なんだ。


そう信じて疑わなかった私。
思いこみがこんなに激しくなければ。
後でつく傷は。


少しでも和らいでいたのかもしれない。




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