ミッドナイト・スクール
「あれ、変ですね視聴覚室が開いてるなんて。窓の閉め忘れかな?」
首を傾げる魅奈。
「いや、中から光が漏れてる。誰かいるのかもしれない」
その言葉に、慌てて魅奈は信二の腕を抱え込む。
「まっ、まさか、例の死神じゃあ……」
ますますカを込めるので、信二は腕の血が止まるように感じた。
部屋からは薄い光が漏れているが、カーテンに遮られて中の様子を見る事は出来ない。中から話し声や物音などは聞こえて来ない。
「よし、私が見て来る。安全そうだったら呼ぶからここにいな」
言うが早いか、冴子は軽い身のこなしで階段を音もたてずに上り、暫く窓から中を窺った後、カーテンを避けて中に滑り込んだ。
「やっぱり中に何かあるんでしょうか?」
心配そうな魅奈の質問に信二は答えられなかった。
しかし、心配を他所に冴子はというと、間もなく窓から顔を出すと、二人を呼んだ。
「二人とも、ちょっと来てくれ」
二人が教科室の脇の階段を二階に上がると、冴子が内側から、引き戸のカギを開けてくれた。中に入った信二と魅奈は、そこに不思議な光景を見た。
部屋の中は木製の固定椅子と長机がいくらか置かれており、正面には巨大なスクリーンがある。普段は映研の活動や、授業で使うビデオ等が映し出されるスクリーンに、今は何かの絵が映されている。
「この絵、見た事ある」
魅奈が絵を見つめたまま呟く。
……スクリーンには何か争い事をしている兵士たち、縛られた幾人かの女、そして赤々とした炎に包まれ、張り付けにされている女性の姿が映し出されていた。
首を傾げる魅奈。
「いや、中から光が漏れてる。誰かいるのかもしれない」
その言葉に、慌てて魅奈は信二の腕を抱え込む。
「まっ、まさか、例の死神じゃあ……」
ますますカを込めるので、信二は腕の血が止まるように感じた。
部屋からは薄い光が漏れているが、カーテンに遮られて中の様子を見る事は出来ない。中から話し声や物音などは聞こえて来ない。
「よし、私が見て来る。安全そうだったら呼ぶからここにいな」
言うが早いか、冴子は軽い身のこなしで階段を音もたてずに上り、暫く窓から中を窺った後、カーテンを避けて中に滑り込んだ。
「やっぱり中に何かあるんでしょうか?」
心配そうな魅奈の質問に信二は答えられなかった。
しかし、心配を他所に冴子はというと、間もなく窓から顔を出すと、二人を呼んだ。
「二人とも、ちょっと来てくれ」
二人が教科室の脇の階段を二階に上がると、冴子が内側から、引き戸のカギを開けてくれた。中に入った信二と魅奈は、そこに不思議な光景を見た。
部屋の中は木製の固定椅子と長机がいくらか置かれており、正面には巨大なスクリーンがある。普段は映研の活動や、授業で使うビデオ等が映し出されるスクリーンに、今は何かの絵が映されている。
「この絵、見た事ある」
魅奈が絵を見つめたまま呟く。
……スクリーンには何か争い事をしている兵士たち、縛られた幾人かの女、そして赤々とした炎に包まれ、張り付けにされている女性の姿が映し出されていた。