ミッドナイト・スクール
……連絡通路の中間にある昇降口を通る。ここは電気がついていた。
昇降口の廊下を駆け抜ける魅奈が、2年A組の下足箱の前を通過しようとした所で、下足箱の陰から出て来た人にぶつかった。
ドンッ!
「きやあっ!」
魅奈は後ろへ吹っ飛んでしまい、強かに尻餅をついた。
「あいたたたた」
打ちつけた腰をさすっていた魅奈は、開いた脚の聞から、スカートの中が相手に見えている事に気が付き、慌てて膝を閉じた。
「大丈夫? 怪我はない?」
「……あ、は、はいっ!」
幸いにも、ぶつかった相手は女だった。しかし、あんなに勢いよくぶつかったにもかかわらず、彼女は吹っ飛ぶところか声すら上げなかった。
「すみません、急いでいたもんで」
「別にいいわ、立てる?」
優しく微笑むと、女の子は手袋をした手を差し出した。
魅奈は注意深く掴むと、ゆっくりと立ち上がった。
「確か……坂上ユリ先輩でしたよね、2年A組の学級委員の」
「あら、知っててくれるなんて光栄だわ。あなたは……影野魅奈さんね」
「はい、そうです。魅奈って呼んでくれていいですよ」
「そう、じゃあ私も名前の方で呼んでくれると嬉しいわ」
「分かりました、ユリ先輩」
魅奈はホコリを払うと軽く会釈をした。
「ところで魅奈ちゃん、そんなに急いでどこに行くのかしら?」
「あ、はい、生徒会室です」
魅奈は手紙の事は何も言わずに、場所だけを教えた。
「あら、私もこれから生徒会室に行くのよ、手紙で呼び出されちゃってるの」
「ユリ先輩もですか」
魅奈は呼び出された理由が告白ではないという事を察し、ほっと胸を撫で下ろした。
「ええ、多分生徒会からの仕事だと思うんだけれどね」
二人は並んで生徒会室へと向かった。
……生徒会室の窓にはカーテンがかかっていたが、中から明かりが漏れ、人の影も見えたので、魅奈は安堵の溜め息をついた。
昇降口の廊下を駆け抜ける魅奈が、2年A組の下足箱の前を通過しようとした所で、下足箱の陰から出て来た人にぶつかった。
ドンッ!
「きやあっ!」
魅奈は後ろへ吹っ飛んでしまい、強かに尻餅をついた。
「あいたたたた」
打ちつけた腰をさすっていた魅奈は、開いた脚の聞から、スカートの中が相手に見えている事に気が付き、慌てて膝を閉じた。
「大丈夫? 怪我はない?」
「……あ、は、はいっ!」
幸いにも、ぶつかった相手は女だった。しかし、あんなに勢いよくぶつかったにもかかわらず、彼女は吹っ飛ぶところか声すら上げなかった。
「すみません、急いでいたもんで」
「別にいいわ、立てる?」
優しく微笑むと、女の子は手袋をした手を差し出した。
魅奈は注意深く掴むと、ゆっくりと立ち上がった。
「確か……坂上ユリ先輩でしたよね、2年A組の学級委員の」
「あら、知っててくれるなんて光栄だわ。あなたは……影野魅奈さんね」
「はい、そうです。魅奈って呼んでくれていいですよ」
「そう、じゃあ私も名前の方で呼んでくれると嬉しいわ」
「分かりました、ユリ先輩」
魅奈はホコリを払うと軽く会釈をした。
「ところで魅奈ちゃん、そんなに急いでどこに行くのかしら?」
「あ、はい、生徒会室です」
魅奈は手紙の事は何も言わずに、場所だけを教えた。
「あら、私もこれから生徒会室に行くのよ、手紙で呼び出されちゃってるの」
「ユリ先輩もですか」
魅奈は呼び出された理由が告白ではないという事を察し、ほっと胸を撫で下ろした。
「ええ、多分生徒会からの仕事だと思うんだけれどね」
二人は並んで生徒会室へと向かった。
……生徒会室の窓にはカーテンがかかっていたが、中から明かりが漏れ、人の影も見えたので、魅奈は安堵の溜め息をついた。