ミッドナイト・スクール

……ガラガラ。
「失礼しまーす」
魅奈が生徒会室のドアを丁寧に開けると、中には何人もの男女が集まっていた。
「あっれー、魅奈ちゃん、何か用？」
「あ、悠子先輩！」
魅奈は悠子に抱き着き、嬉しそうに笑う。
尻尾でもついていたとしたら、恐らく魅奈は全開で振り続ける事だろう。さながら、子犬のように。
「彼女も呼び出されたそうよ」
悠子の問いには、ユリが代わりに答えた。
「おっ、ユリもそうなのか。まあとりあえず座れよ」
和哉は自分の座ゥていた精子をユリに差し出した。
「ありがとう」
ユリは椅子に腰掛けると、室内を見渡した。
室内には、自分も含め、男女合わせて八人の人物がいた。
……和哉、悠子、後藤、信二、魅奈、種田、種田の弟の文彦、そしてユリの合わせて八人だ。信二は手紙を呼んだ後に、そのまま生徒会室へと来ていた。
いやそうな顔の種田は、椅子に腰掛けじっとしている。種田は下校する際に、弟の文彦に呼び止められ、仕方なくここに来ている。
文彦は、数日前に家の郵便受けに、郵便局の印の押されていない、水色の封筒が届いていたのを知った。手紙の内容から、学校に関係のある二人のどちらか当てである事は分かったので、今日、兄の種田を呼び止め、『生徒会関係の依頼なら、サボッては後々面倒な事になるかも知れない』と説得して今ここにいる。
「あれ、信二先輩ー、どうしてここにいるんですか？」
「やあ、魅奈ちゃん。運命的な事に俺にも手紙が来たのだよ」
「本当ですか、私と一緒ですね」
魅奈は嬉しそうに、信二と腕を組んで喜んだ。
下校時刻を過ぎた校舎。生徒会室以外の全ての教室の明かりは消え、辺りには真の闇が訪れた。