ミッドナイト・スクール
「何だこりゃ?」
「分かんなーい」
和哉と悠子はお手上げのポーズを取った。
「どれどれ……何これ? 変な文ね」
ユリが手袋をした手で紙を受け取った。
机の上に置き、全員で検討したが、一体何を意味するのか分からない。
「これ、何だと思う?」
信二が魅奈に問う。
「分からないです。ごめんなさい」
魅奈は素直にあやまる。
「これ、もしかしたら暗号じゃないですかね」
文彦が呟く。
「ん、そうかもな。しかし、どんな意味なんだ?」
……ガラガラ
その時、ドアの開く音に全員が振り返った。
「あ、浅岡!」
「どうも、遅くなりました。それで、一体何の集まりですか?」
浅岡は部屋に入ると、全員を見渡し、種田と目が合うと視線を止めた。
種田は浅岡が入って来るなり、急に嫌な顔付きになり、浅岡を脱み続けている。
「あの……誰か私に何か用事があるんじゃないんですか?」
浅岡はキョトンと信二達を見回し、首を傾げる。
「え、あ、浅岡は何でここに来たの?」
信二が逆に質問する。
「私は、変な手紙で、今日の七時にここに呼び出されたの。花壇の掃除をしていたら遅れてしまって、この時間になってしまったけれど……」
持っていた鞄から封筒を取り出すと、浅岡はそれを信二に手渡した。
やはり、それの内容も信二達と同じものだった。
「一体、何があったんですか?」
この状況を把握している者は誰一人としていないが、信二はここまでの各自の経緯をかいつまんで話した。
……別段、驚く事もなく、浅岡は暗号の文を手に取った。

『1・ 2・O3・ 4・  5・N6・ 7・ 8・ 9・ 10・ 』

「う~ん。これってNがあるし、こっちはO(オー)じゃないですか? 意味はわからないけど、これが悪戯なら、ここまで手の込んだ事はしないと思う」
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