ミッドナイト・スクール
強いて言うのならば、廊下の明かりは全部消え、夜用の非常灯に切り替わり、転々と緑の明かりが薄暗い廊下に続くだけだ。
「もしかして、今のは生徒会室だけに起こった地震?」
浅岡が不思議そうに咳く。
「そ、そんな事って……」
振り向き様に、魅奈は強張った表情を見せた。
『オオオオン!』
……その時、何処かで犬の遠吠えが聞こえた気がした。
先程の地震が、嘘の様に静まり返った校舎は、不気味で、それでいて神秘的な感じがした。
時刻は八時半を回っている。
「ねえ、もう帰ろうよ。家族が心配しちゃうよ」
そう提案すると、悠子は昇降口へと歩きだした。
「そうだな。何にしても、もう学校に残る必要はないだろう。さっきみたいな目に遭うのは、ごめんだしな」
和哉もそう告げると、悠子に続く。
特に異論などあるはずもなく、鞄は崩れてしまった部屋の中なので、手ぶらで全員は昇降口へと向かった。
昇降口は生徒会室を出てすぐの所にあるので、距離的にはそんなに遠くはない。
「あっ、八時を過ぎたから、教師用の出入口からじゃないと出れないぞ」
「はーい」
後藤が先頭の悠子に声を掛けた。
西高は、最終下校時刻を過きると、生徒用の昇降口のドアは閉められ、教師用の昇降口しか出入りができなくなる。
「まったく、酷い目に遭ったな。しかし、俺たちを呼び出した奴は一体何者だったんだ?
「さあ……でも、みんなたいした怪我もなくてよかったです」
「まあ、たしかにね……うわっぷ」
一番後ろを歩いていた信二と魅奈は、突然止まった種田の背中にぶつかった。
「いてて、どうしたんだよ種田、いきなり止まるなよ……?」
……その時、信二は前方から発せられている、異様な匂いに気が付いた。
ユリを押しのけて信二は前に出た。
「もしかして、今のは生徒会室だけに起こった地震?」
浅岡が不思議そうに咳く。
「そ、そんな事って……」
振り向き様に、魅奈は強張った表情を見せた。
『オオオオン!』
……その時、何処かで犬の遠吠えが聞こえた気がした。
先程の地震が、嘘の様に静まり返った校舎は、不気味で、それでいて神秘的な感じがした。
時刻は八時半を回っている。
「ねえ、もう帰ろうよ。家族が心配しちゃうよ」
そう提案すると、悠子は昇降口へと歩きだした。
「そうだな。何にしても、もう学校に残る必要はないだろう。さっきみたいな目に遭うのは、ごめんだしな」
和哉もそう告げると、悠子に続く。
特に異論などあるはずもなく、鞄は崩れてしまった部屋の中なので、手ぶらで全員は昇降口へと向かった。
昇降口は生徒会室を出てすぐの所にあるので、距離的にはそんなに遠くはない。
「あっ、八時を過ぎたから、教師用の出入口からじゃないと出れないぞ」
「はーい」
後藤が先頭の悠子に声を掛けた。
西高は、最終下校時刻を過きると、生徒用の昇降口のドアは閉められ、教師用の昇降口しか出入りができなくなる。
「まったく、酷い目に遭ったな。しかし、俺たちを呼び出した奴は一体何者だったんだ?
「さあ……でも、みんなたいした怪我もなくてよかったです」
「まあ、たしかにね……うわっぷ」
一番後ろを歩いていた信二と魅奈は、突然止まった種田の背中にぶつかった。
「いてて、どうしたんだよ種田、いきなり止まるなよ……?」
……その時、信二は前方から発せられている、異様な匂いに気が付いた。
ユリを押しのけて信二は前に出た。