ミッドナイト・スクール
……そこには。
……強烈に鼻をつくもの。その場の、床一面に、暗く赤い水が飛び散っていた。
緑の非常灯に照らされた水は、微妙に赤いと分かるだけで、全体的にドス黒い液体に見える。辺り一面にぶち撒けられているその水から、その異臭は発せられている。しかし、水といっても水たまりではない。床一面、それだけでなく、下足箱、壁、窓、天井までにも届いているその水の出所は、昇降口の廊下の中央にあるモノから噴出したようだった。
そのモノとは……殺された人間だった。
「きゃああ!」
「いやああ!」
突然の事に身動きが取れなかった信二達を、悠子の悲鳴が我に返らせた。
「わああああん」
和哉に抱き着くと、悠子は肩を震わせて絶叫した。
「何が、どうしたんですか?」
後ろから顔を出そうとした魅奈を、信二が抱き抱える様にして、見せないようにした。
「見ちゃだめだ」
信二は突然の事にパニックになりながらも、魅奈に見せまいとする気持ちが体を突き動かしていた。
「これは……警備員さんだ」
一人前へ出て、後藤が死体を見て言った。
「それにしても……一体何があったんだ? グチャグチャだ。腹から肩筋を首の所まで切り裂かれてる。人間の力とは思えない」
後藤は落ち着いて話すが、言葉からは明らか動揺していることが伺えた。
「凶器で斬られたというよりは……力で引き裂かれた感じだ」
文彦が前へ出て、死体を見ながら話す。
「いやああ! やめてよお!」
さらに悠子は絶叫し、耳を塞いで和哉にしがみつく。
……沈黙の中、悠子の泣き叫ぶ声だけが響いていた。
ユリや浅岡は死体を見ないようにして震えている。
「うわあああん! わあああ……」
突然、悠子が泣き止んで、恐怖の表情を見せた。
「どうした?」
心配そうに尋ねる和哉。
……強烈に鼻をつくもの。その場の、床一面に、暗く赤い水が飛び散っていた。
緑の非常灯に照らされた水は、微妙に赤いと分かるだけで、全体的にドス黒い液体に見える。辺り一面にぶち撒けられているその水から、その異臭は発せられている。しかし、水といっても水たまりではない。床一面、それだけでなく、下足箱、壁、窓、天井までにも届いているその水の出所は、昇降口の廊下の中央にあるモノから噴出したようだった。
そのモノとは……殺された人間だった。
「きゃああ!」
「いやああ!」
突然の事に身動きが取れなかった信二達を、悠子の悲鳴が我に返らせた。
「わああああん」
和哉に抱き着くと、悠子は肩を震わせて絶叫した。
「何が、どうしたんですか?」
後ろから顔を出そうとした魅奈を、信二が抱き抱える様にして、見せないようにした。
「見ちゃだめだ」
信二は突然の事にパニックになりながらも、魅奈に見せまいとする気持ちが体を突き動かしていた。
「これは……警備員さんだ」
一人前へ出て、後藤が死体を見て言った。
「それにしても……一体何があったんだ? グチャグチャだ。腹から肩筋を首の所まで切り裂かれてる。人間の力とは思えない」
後藤は落ち着いて話すが、言葉からは明らか動揺していることが伺えた。
「凶器で斬られたというよりは……力で引き裂かれた感じだ」
文彦が前へ出て、死体を見ながら話す。
「いやああ! やめてよお!」
さらに悠子は絶叫し、耳を塞いで和哉にしがみつく。
……沈黙の中、悠子の泣き叫ぶ声だけが響いていた。
ユリや浅岡は死体を見ないようにして震えている。
「うわあああん! わあああ……」
突然、悠子が泣き止んで、恐怖の表情を見せた。
「どうした?」
心配そうに尋ねる和哉。