ミッドナイト・スクール
「……何か……いる!」
悠子は廊下の管理棟の方の角を指さして言った。
全員がその方向に目を向ける。
曲がり角には何もいない……が、何か足音のような音がこちらの方へと近づいて来る。
ミシッ、ヒタッ、ミシッ。
重く引きずるような足音が、少しずつ大きくなってくる。
「来る、来るよ!」
和哉は悠子を抱き抱え、後ろへ下がる。
ドックン、ドックン、ドックン。
信二は早くなった鼓動を静めようと押さえ、後ろへ下がる。
ヒタッ、ミシッ、ヒタッ、ミシッ。
やがて、廊下の角に非常灯に照らし出された影が見えた。
「なっ、何だありゃ!」
言葉を発したのは種田だった。
彼の言葉通り、そこに現れたのは正体不明。巨大な生物だった。
「グ……ガ……ガ」
暗い闇の中でさえも、はっきりと見える漆黒の体。頭から短く突き出た触角だか角だかよく分からない二本の突起物。大きな爪が血を滴らせながら、鈍い光りを放っている。赤く光る目には、凄まじいまでの殺意が篭もっているのが見て取れる。やや中腰でありながらも、二、三メートルはあろう大きな巨体は、ゆっくりと、人聞が歩くのと変わらない位のスピードで、こちらへとやって来る。
ヒタッ、ミシッ、ヒタッ。
「逃……逃げな……きゃ」
信二は言葉を喋ろうとするが、まるで金縛りにでもあったかのように、手足はもちろんの事、舌までが完全に麻痩していた。
ヒタッ、ミシッ、ミシッ……。
怪物が警備員の死体の所で止まった。
信二途は更に数メートル離れた所にいる。
じっとこちらを見る赤い両目が、さらに赤く光る。
悠子は廊下の管理棟の方の角を指さして言った。
全員がその方向に目を向ける。
曲がり角には何もいない……が、何か足音のような音がこちらの方へと近づいて来る。
ミシッ、ヒタッ、ミシッ。
重く引きずるような足音が、少しずつ大きくなってくる。
「来る、来るよ!」
和哉は悠子を抱き抱え、後ろへ下がる。
ドックン、ドックン、ドックン。
信二は早くなった鼓動を静めようと押さえ、後ろへ下がる。
ヒタッ、ミシッ、ヒタッ、ミシッ。
やがて、廊下の角に非常灯に照らし出された影が見えた。
「なっ、何だありゃ!」
言葉を発したのは種田だった。
彼の言葉通り、そこに現れたのは正体不明。巨大な生物だった。
「グ……ガ……ガ」
暗い闇の中でさえも、はっきりと見える漆黒の体。頭から短く突き出た触角だか角だかよく分からない二本の突起物。大きな爪が血を滴らせながら、鈍い光りを放っている。赤く光る目には、凄まじいまでの殺意が篭もっているのが見て取れる。やや中腰でありながらも、二、三メートルはあろう大きな巨体は、ゆっくりと、人聞が歩くのと変わらない位のスピードで、こちらへとやって来る。
ヒタッ、ミシッ、ヒタッ。
「逃……逃げな……きゃ」
信二は言葉を喋ろうとするが、まるで金縛りにでもあったかのように、手足はもちろんの事、舌までが完全に麻痩していた。
ヒタッ、ミシッ、ミシッ……。
怪物が警備員の死体の所で止まった。
信二途は更に数メートル離れた所にいる。
じっとこちらを見る赤い両目が、さらに赤く光る。