ミッドナイト・スクール
「おかしいな。繋がらないよ」
接続はうまくいかず、画面はフリーズしてしまった。
「やっぱり電話が通じない以上、パソコン回線も無駄だったみたいだな」
「あ、ちょっと待って。これはなんだ?」
突然、画面が変わり、何かの見取り図のようなものか浮かび上がった。
「これって、学校の見取り図じゃないですか?」
ようやく、魅奈も話に加わる事が出来たようだ。
「本当だ、図書館……音楽室……美術室の位置……間違いないな」
画面に映し出されたのは、紛れも無く清和西高校の見取り図だった。その地図の殆どの教室が青色で表示されている中、一カ所だけ赤く表示されている部屋がある。
「この赤いのはどこだ?」
「ん……と、教科室みたいですね」
何度も確認して魅奈が答える。
「何かあるって事なのかな?」
信二は二人に意見を求めたが、自分にわからない事が二人にわかる筈がない。
「行ってみるか」
イスから立ち上がり、冴子はディスプレイの電源を落とした。
「でも、待って下さい。これはワナかも知れないですよ」
魅奈は不安になったのか冴子の腕にしがみついた。
「どうする信二?」
信二は腕組みをして暫く考えていたが、やがて。
「行こう。他には何も考えつかない。それに、もしかしたら重要な手掛かりが掴めるかも知れない」
……三人はHR棟一階の廊下を抜けて、教科室の前まで来た。
「着いたな。中に入ろう」
教科室はカーテン代わりに暗幕がかかっており、外から中の様子を窺う事は出来ない。
「あっ、しまった。確か教科室はカギが掛かってるんだよな。カギ持ってないよ。これじゃあ中に入るのは無理だな」
冴子はドアのもとに座り込んだ。
「どうしましょうか。カギはゴッチー先生が持ってるんですよね? ここには後でまた来る事にしましょうか?」
「そうだね、こうしていても時間の無駄だし、先に他の部屋を……あれ?」
パタパタパタパタ。
「待って、あれはなんの音だ?」
冴子が耳を済ませる。
パタパタバタ。
どこかから音が聞こえる。
「上だ信二。視聴覚室からだ」
魅奈と信二が顔を上に向けると、教科室の上の部屋。視聴覚室のカーテンが風にたなびいているのが見える。
接続はうまくいかず、画面はフリーズしてしまった。
「やっぱり電話が通じない以上、パソコン回線も無駄だったみたいだな」
「あ、ちょっと待って。これはなんだ?」
突然、画面が変わり、何かの見取り図のようなものか浮かび上がった。
「これって、学校の見取り図じゃないですか?」
ようやく、魅奈も話に加わる事が出来たようだ。
「本当だ、図書館……音楽室……美術室の位置……間違いないな」
画面に映し出されたのは、紛れも無く清和西高校の見取り図だった。その地図の殆どの教室が青色で表示されている中、一カ所だけ赤く表示されている部屋がある。
「この赤いのはどこだ?」
「ん……と、教科室みたいですね」
何度も確認して魅奈が答える。
「何かあるって事なのかな?」
信二は二人に意見を求めたが、自分にわからない事が二人にわかる筈がない。
「行ってみるか」
イスから立ち上がり、冴子はディスプレイの電源を落とした。
「でも、待って下さい。これはワナかも知れないですよ」
魅奈は不安になったのか冴子の腕にしがみついた。
「どうする信二?」
信二は腕組みをして暫く考えていたが、やがて。
「行こう。他には何も考えつかない。それに、もしかしたら重要な手掛かりが掴めるかも知れない」
……三人はHR棟一階の廊下を抜けて、教科室の前まで来た。
「着いたな。中に入ろう」
教科室はカーテン代わりに暗幕がかかっており、外から中の様子を窺う事は出来ない。
「あっ、しまった。確か教科室はカギが掛かってるんだよな。カギ持ってないよ。これじゃあ中に入るのは無理だな」
冴子はドアのもとに座り込んだ。
「どうしましょうか。カギはゴッチー先生が持ってるんですよね? ここには後でまた来る事にしましょうか?」
「そうだね、こうしていても時間の無駄だし、先に他の部屋を……あれ?」
パタパタパタパタ。
「待って、あれはなんの音だ?」
冴子が耳を済ませる。
パタパタバタ。
どこかから音が聞こえる。
「上だ信二。視聴覚室からだ」
魅奈と信二が顔を上に向けると、教科室の上の部屋。視聴覚室のカーテンが風にたなびいているのが見える。