流星ワルツ
物心ついた頃から、ずっとずっと一緒だった。
次世代のトップになる子たち、と何処へ行っても、もてはやされ囲まれる。
息が詰まる、そんな空間で、あたしたちは出会い、自然とその手は強く繋がれていた。
まるで、自分たちを守るかのようにギュッと固まったあたしたちは周りからはどのように見えていたのだろう。
幼稚舎、初等部、中等部…とエスカレーター式の学校に入って、偶然か必然かクラスもずっと一緒で。
そして今日、高等部へと進学する。
「伝説は果たして継承されるのか…!!」
「しぃ、継承なんて言葉よく知ってたね」
「…ナツさ、冷たいのか優しいのか分かんねえから」
いつの間にか、地面に映し出される5人の影は大きくなっていて、あんなに幼かった顔もみんなみんな…大人になっていく。
「紫苑ー?どした?」
「紫苑、どうかしたの?」
だけど、まだ並んでる。
あたしたちは、あの頃と変わらず並んで歩いてる。
それがどれ程、奇跡なことなのか。
「よし!!学校まで競争ー!!」
「一人でやれ」