流星ワルツ
桜がハラハラと散るなかを走り抜けて、通い馴れた校門に足を踏み入れた。
「あ、よかった!!まだクラス分けの貼ってあるよ」
すでに、正面玄関には入学式に出席したと思われる保護者が何人か居るだけで、迎えの車が並んでいた。
「紫苑、俺ら絶対一緒だから見なくても一緒だろー」
「分かんないじゃん!!」
急いで、クラス分けのボードを見上げ皆の名前を探しだす。
「如月音弥…2組!」
「ん」
音弥は興味が無さそうに欠伸をしながらの返事。…昨日も絶対夜遅かったんだ…。
むう、と頬を膨らませて音弥を睨むと視界が金に染まる。
「…っナツ!?」
目を細めて、あたしを覗き込みボードを見上げた。
「音弥、一緒」
手を軽く上げて、音弥とナツがハイタッチ。
やっぱり嬉しいんじゃん、とほっこりとした気持ちになった。
「紫苑、俺も心も皆一緒だぜっ!!」
「やったね、流衣っ」
少し目くじらを立てた先生が近付いてくるのが目の端に映ったけど気にせず、あたしも流衣とハイタッチをした。