流星ワルツ
「ん?懐かしいだろ。この髪色。ちょうど俺らがヤンチャだった時のデスネ」
「桃真(とうま)、俺まで巻き込むなよ。ヤンチャだったのは、桃真と朔杜(さくと)だろ」
神代先輩が爽やかに笑って、近くにあった椅子なのか木材が重なって置いてある何かなのかに座った。
「そう言ってるけど一番強かったのお前だぜ?弥斗(みと)」
「そうだったか?」
「俺、絶対勝てなかったもん」
下月先輩が興味深そうに足下にいるセンパイ方を見遣る。
「大2の代だな。音弥、まだ根に持たれてたのか?」
「まあ、俺だったら恥ずかしくて二度と音弥の前に出てこないけどなー」
返事の代わりに溜め息ひとつを返した。
「“…別に無視してやっても良いんだけど、相手にされねえと勝手にキレて学校まで乗り込んできやがるから”ってとこかな」
「…神代先輩、気持ち悪いぐらい当たってます」
「まあ、お前らとは幼稚舎からだからな。弟たちみたいだし」
また、爽やかに笑って指を顎に当て何かを思い出すかのように視線を宙に浮かす。
「ああ、音弥が中1のときにボッコボコにした奴等か」