流星ワルツ
「不審者?」
「……そ」
先輩たちに言われたことを、そのままナツたちに伝えた。
『最近、この街で不審者が出てんだよ』
『俺ら、迎えとか来たりするから関係ねえよなーとか思ってたんだけどさ』
『それまで被害者の女の子たち、公立に通ってる子ばっかりだったんだけど。この前、俺らのクラスの奴の私立の有名女子校通ってる妹さんが被害にあって、他人事じゃなくなったんだ。音弥も何か分かったら教えてくれ。俺も桃真も朔杜も色々調べてるし、…何より紫苑たちが心配だからね』
桃真先輩までもが神妙そうで、事態の深刻さが伝わってきた。
「つーかさ、ここらへん、なんとか財閥だとか名家ばっかでボディーガード沢山いるじゃねえか!犯人、袋ん中の鼠みたいなもんじゃねえか」
「神代先輩のクラスの方の妹さんでしょう?大事な御嬢様が傷つけられて、ボディーガードたちが黙ってるわけないしね」
「……ん」
「時間の問題ってことだよねー」
これで、この話は終わりな筈なのに、何だか引っ掛かって、まどろっこしかった。