流星ワルツ
「紫苑は、ああ見えて怖がりだから紫苑の前じゃ聞かなかったけれど、なにか詳細は分かっているの?」
「ああ」
「お、分かってんのか!」
犯人は、まずターゲットに「お前がターゲットだ」ってことを教えるために、写真を送る。
「写真?どんな?」
「全部盗撮なんだけど、酷いのだと家の中での様子を外から撮ったやつ、とか」
「うっわ…怖ぇ」
それを毎日繰り返して、被害者を精神的にダメージを与え、実際に目の前に現れる。
「…現れて、そいつ何すんだよ。……まさか」
「いや、そうゆうのじゃねえ。…けど、写真撮られんだよ、服とか捲られたりとかしながら」
「最低ね」
心が眉間に皺をよせ、心底軽蔑したような色を瞳の中に浮かばせる。
「犯人の顔を見た被害者は?」
「目隠しさせられたりするから、いねぇよ」
「ほんとに最低野郎だな…」
被害者数は、次で10人目となる。警察も結構な人数費やして張り込んでんのに収穫ゼロ。
「…何より、被害者の女の子たちのその後のダメージからの復帰が難しそうね」
「…何人かは、精神科にかかってる子もいるらしい」
「……まじかよ」