呪 い サ イ ト
「高井と谷村が、付き合った……?」


 真里の衝撃の一言から数分後、ウチはやっと言葉を発せた。それまでウチと真里はずっと無言で立ち尽くしていた。

 ―――真里は何を言っているの? 高井と谷村が付き合うなんて……そんなこと……そんなこと……!


「あるわけ、ないじゃん」


 自分に言いきかせるようにして、もう一度繰り返す。


「そんなこと、あるわけ……ないよ」


 ウチは薄笑いを浮かべて、もう一度真里をみつめ返した。


「変な冗談はやめてよ」


 バンッ!!

 再び真里が机を叩き、びくっとした。
 クラスメイト達も見ている。「何? 喧嘩?」とひそひそと囁きあっていた。


「それが……あるんだよ……! 冗談でもなんでもない。本当に……」


 真里は今にも涙が溢れそうな、ウチが見たこともない悲しい目をしている。それが真実を物語っていた。


「数学の授業の後の休み時間に、二人きりだったから告ったんだって。二人が今教室にいないのは、どこか外で一緒にお昼を食べてるから」
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