呪 い サ イ ト
「どう責任をとってくれるんだろうね?」


 自分は悪くない、というように優里はくすくすと笑いながら言った。
 そのことに私は再び不快感を覚える。
 優里を見なければいいんだ、と思い視線を外すとふと莉音が目に入った。
 拳をぎゅっと握り締めてぷるぷると体を震わせている。


「莉音? どうしたの……?」


 何か異変が起きたのかと心配してかけた声のほとんどは、莉音の珍しく低い声に掻き消された。


「―――だから言ったのに……!」


 怒りをあらわにしていた。拳を握りしめて震えていたのも怒りだったのだ。


「え……?」


 私達の誰もが頭の中に疑問符を浮かべ、莉音をじっと見た。


「あたし、なんだか危険そうって感じたから”危なくないかな”って言ったのに……! それなのに……! ”大丈夫”って笑い飛ばされて、結局こんなことに……!! 最悪だよ!!」
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