呪 い サ イ ト
 数学の授業の後の休み時間。それは高木がウチに話しかけてくれた休み時間。あの時、高井を行かせるんじゃなかった。ウチは激しい後悔に襲われる。
 そして――嫌な予感は当たってしまった。


「そん、な……」


 膝ががくっと折れ、ウチはその場に泣き崩れた。


「どう、して……」


 あんな奴に先を越されるなんて……。人気者でカッコイイ高井と、ぶっりこで嫌われ者の谷村が付き合うなんて……。


「ほんっっと、信じられない!」


 ―――くやしい!

 先程までの”悲しい”思いよりも、その”くやしい”思いがどんどん勝ってきた。


「どうしたの……?」


 弱々しい声でハッと我に返り、顔を上げた。そこには心配そうな顔をした梓がいた。梓をキッときつく睨みつけてから、


「ああっ、もうっ!! イラつくー!!」


 そう叫んだ。
 私何かした? という不安そうで悲しそうで、あのイラつくびくびくした顔の梓には申し訳ないけど八つ当たりだった。

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