呪 い サ イ ト
「幸恵があんなことを言い出したからよ!」


「寧々だって面白そうとか言ってたわ!
それで行こうって! 賛成してたじゃない」


「・・・あたしは悪くないからね、何も!」


 三人は話をしていた、確かに。だがそれは想像していたものと全く違っていた。
 もっと落ち着いて話し合いするのかとばかり思っていた。誰が悪いのか、ということで口論になり、感情的になっているとは思ってもみない。


「仲が崩壊しちゃってる」


 くすくすくすくす。
 もうその気味の悪い笑い方に慣れてしまい、優里はその笑い方が好きだなあ、という程度にしか思わなくなってきた。
 慣れとは怖いと思った。


「本当最高。もっと崩壊しちゃえばいいのに」


 呟きを聞いて思い出した。先程は感情的になってスパラダイスにのせいにしてしまったが、本当は全て優里が起こしたのだった……。
 だが、いくつかの疑問が私にねっとりと絡みつく。

 穴があったのは? それも優里が穴をつくったの?

 そんな私の心を読み取ったかのように、優里は嘲りながら言う。
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