呪 い サ イ ト
 そんな私の心を読み取ったかのように、優里は嘲りながら言う。


「ウチはなんでもできるから。自由に人を操ることができる。感情とかも。何でも操ることができる。穴だって自由に。・・・まぁ実際、ウチが……じゃなくて、ウチが頼んだ……んだけどね」


 操れる? 何もかも? そんなの有り得ない!
 
 私には優里が嘘をついているとしか思えなかった。

 だが……操れるからこんなことになった。だから”有り得ない”ということこそが有り得ないということになるのだろうか。

 私はそんな優里を……


「許さないっ!」


 いつの間にか口に出してしまっていた。本当は心の中で思っていただけなのに。


「・・・あ、別にいいけど。許さなくても。気にしないし。とりあえず……ウチ帰るから。また明日、学校で」


 優里はいたって平然な態度でひらひらと手を振り、帰って行く。

 あぁ、私も帰らなくちゃ。
 そう思った時、再び疑問が生まれた。先程の優里の言葉を思い出したのだ。

 頼んだってどういうこと……? 誰に頼んだの? 殺し屋とか?

 そんなたくさんの疑問に包まれながら、私は家へと帰って行った。
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