呪 い サ イ ト
 辛うじて場所を覚えていたあの三人の机やロッカーを覗いてみたが、何も入ってはいない。空っぽだ。
 そもそも登校さえしていないようだった。

 やはりあれは現実なのだ。ただの悪夢だったらどんなによかっただろうか。

 毎週月曜日には朝会がある。
 その時に校長が話をした。あの三人のことである。
 一週間後には退院できるらしい。

 一週間か……。早く退院できるといいな、と思った。

 それと、プールで迂闊に吸い込まれるような穴には近づかないように、と注意をされた。面白半分は危険だ、好奇心が命を落としかねない、と釘を刺された。
 他にも、金曜日に市内の中学校であった、発砲事件のことを話していた。こんなのどうでもいい、早く朝会を終わらせてくれ、というのが私を含め大半の生徒の感想だろう。

 一年生は入院した三人の見舞いに行くことを強制された。だが一年だとまだ三人のことを、見知らぬ生徒がたくさんいる。
 きっと強制されても見舞いに行かない人はいるだろう。私は強制されなくても行くに決まっているが。
 だが男子も行くということだろう。あの人……行くのかな。大好きな石神。
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