呪 い サ イ ト
振り返ると、そこには優里がいた。私と同じく、見舞いに来たのだろう。
まっすぐと私の目をみつめながら言う。
「・・・憎いでしょ?」
今日は初めて話しかけられた。今日どころではなく、話しかけられたのは何故か久しぶりのような気がした。
「憎いでしょ? 莉音と幸恵が」
私は素直に頷く。優里に嘘は通用しない、そう思ったのだ。
「ウチと同じようになればいい」
「優里と同じように……?」
いまいち理解できない私は、優里の言った事を繰り返すことしかできなかった。
どういうこと?
「今のウチはとっても幸せ。嫌な人を徹底的に排除できるから。とても愉快なことだよ。・・・優子にもこの幸せ、味わえるといいね。まぁ……どうせ無理だろうけど?」
くすくすと私を嘲笑う。
「次のキーワードは”発砲事件”だよ。じゃあね」
優里は言いたいことを言うだけ言って、さっさと立ち去って行った。
次? 何の次?
プールへ行った時の優里の発言が、脳裏に蘇った。
―――”じわじわと苦しませて殺す”。
次の事件のことだろうか?