呪 い サ イ ト
「ただいまー」
家に入ると、丁度時計の短針が六時を差していた。母がつけっぱなしにしているテレビは、ニュースが始まった。
『午後6時になりました。ニュースをお伝えします』
化粧の濃い女性のアナウンサーがはきはきとした口調で話し出す。
『金曜日にXX市内のXXX中学校でおこった発砲事件の犯人が、XXX警察署に脅迫状を送りつけてきました』
あ……朝もやってて朝会でも校長が話していたあの発砲事件……。
市内の警察署がテレビ画面に映された。
『一週間後にまた市内の中学校で発砲するという内容のものでした。警察は捜索していますが、犯人は未だ捕まっていません』
一週間後に……市内の中学校で発砲?
初耳だった。朝のニュースや校長も話していたのかもしれないが、全く頭に残っていない。そもそも校長の話なんてあまり聞く気もない。
私は閃いた。
丁度いい! これを使おう!
―――かちかちかち。
送信フォームに文字を打ち始めた。
〔一週間後、岸本 莉音と森 幸恵は学校で銃で撃たれ、足を負傷する。全治2週間。犯人は金曜日に発砲したのと同じ人物。〕
・・・莉音は幼馴染、幸恵は友達だって? そんなのは関係ないよ。もう手遅れ。
あんな光景を見たら―――……っ。脳裏に蘇った光景を振り払った。
まぁ……どうせ実際にこうなる訳ないし。そう思い、送信ボタンを押すための携帯の中央のボタンに指を乗せた。