呪 い サ イ ト
優子が帰宅した頃。同じく、呪いサイトの送信フォームを開いている少女がいた。そして点けているテレビのニュース番組も。
『金曜日にXX市内のXXX中学校でおこった発砲事件の犯人が、XXX警察署に脅迫状を送りつけてきました。一週間後にまた市内の中学校で発砲するという内容のものでした。警察は捜索していますが、犯人は未だ捕まっていません』
朝のニュースでも見て、朝会で校長が話していたため、少女がこの情報を耳にするのは今日で三度目だ。興味なさげにテレビから携帯へと目を移す。
―――かちかちかち。
少女は送信フォームに文字を打ち始めた。
〔一週間後、岸本 莉音、森 幸恵、青田 寧々は学校にて銃で撃たれ、足を負傷する。全治2週間。犯人は金曜日に発砲したのと同じ人物。〕
「これでいいか」
「これでいいよね」
違う屋根の下、優子とその少女は―――同時に送信ボタンを押した。そして、その呪いサイトからメールが届いたのも同時だった。
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件名:呪い受付完了
本文:ご利用ありがとうございます。
呪いの受付を完了しました。
呪いを実行したら、
また連絡致します。
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優子は驚いたが、少女は全く驚かない。まるで慣れているかのように―――。
発砲事件は、ここからが本番である。