呪 い サ イ ト
「なんだよ、その目は……!!」
この目は、犯人を刺激するとわかっていた。
それでも……友達を撃った犯人に、
せめてこんな目だけでも向けなければ、
気が済まなかった……!
やり過ごすことができなかった……!
幸恵は更に憎しみを込めた目を向ける。
「・・・っ! だからなんなんだよ、
その目はよぉぉおおおぉぉっ!!!」
犯人は短気な性格らしく、
すぐにぶち切れて幸恵に襲いかかった。
拳銃で幸恵の頭を殴った。
幸恵は手で頭を庇っていたため、
そのままごろんごろん、と転がる。
「うぐ……っ!!」
頭がくらくらするが、なんとか起き上がった。
幸恵は更に憎しみを込めた目を向けた。
これ以上はしてはいけない、と
本能が知らせていた。それでも……!
だが、犯人のほうが幸恵に勝る、
憎しみを込めた目を向けていた。
それは勿論幸恵に。
「俺はなぁ……!!
そういう目で見られんのが昔から
嫌いなんだよ!! ムカつくんだよ!!」
何かトラウマがあったのだろうか、
昔のことを思い出しているように見える。
それとも昔から憎まれていたのだろうか。