呪 い サ イ ト

「だからなぁ……そういう目で見る奴を、
俺は許せねえんだよおおぉおぉぉっ!!」

犯人の獣のような咆哮と共に、

―――バンッ!

本日3度目の乾いた金属音が響き、
血の飛沫が散った。


「う……っ!」


太腿を撃たれ、鈍い痛みが遅れてやってくる。
太い血管が通っている太腿は、
莉音の脹脛や寧々の足首よりも
遥かに多い量の、真っ赤な鮮血が
ごぼごぼと溢れ出して来た。

だが尚も、幸恵は苦痛で顔を歪めながら、
憎しみを込めた目を犯人へと向ける。


「いい加減にしろよぉおおおぉぉっ!!」


―――バンッ!

4度目の発砲音。今度は幸恵の左太腿。
さっきは右太腿だった。
血がどんどん溢れだして来て、
床に真っ赤な海を広げていく。


「ひぃ……っ!!」


遠くから見ている私は小さく悲鳴をあげる。
恐ろしいのに美しい……。
鳥肌が立った。

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