呪 い サ イ ト

「やった……全員撃たれた……!」


優里が喜びの声をあげる。

おかしい……やっぱりおかしい。
寧々も撃たれるなんて何故……!?
しかも、これは私が起こした事件のはず。
それなのに、どうして優里が……!?
この事件が起こることを知っていたの!?


「もう終わっちゃうよ、今回の事件は」


ほら、また……。
まるで何もかもを知っているように。
諭すように、寂しげな表情で言った。
その瞬間、


「―――手を挙げろ!」


カーテンで隠れていた、
体育館の隅にある扉から、
拳銃を持った警察官達が入って来た。
突然のことで、犯人は勿論……
私などの生徒や教師も驚く。
驚いていないのは優里だけ。
ほらね? というような顔をした。
どうして知っていたの?
私が唖然としている内に、犯人は大人しく
手錠をはめられ、現行犯逮捕された。

体育館内の安全を確認してから、
救急隊員数名が入って来た。
持ってきた担架の上に寧々、幸恵、莉音の
撃たれた3人を乗せ、救急車へと運んでいく。
私達は警察に保護された。

こうして、悪夢のような発砲事件は、
幕を閉じたのだった……。


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