呪 い サ イ ト
 谷村が上目遣いで写っている。アヒル口にして、拳を軽くあわせて口の下へとやった、ぶりっこポーズ。


「うわ……キモ……っ」


 谷村をみているだけで、吐き気がしてくる。そのせいで目的を少しの間、忘れてしまっていた。

 勉強机に置いてあった画鋲をとり、


「呪ってやる!!」


 丁度、谷村の顔が写っている部分に刺した。谷村の顔を画鋲の針が貫き、無惨なものだった。


「あはは! ざまあみろ!」


 少しすっきりした。でも本当に、少し、ほんの少しだけ。
 この程度のものでは谷村への憎悪は、収まるわけもなかった。


「何か、もっといい方法があればいいのに」


 携帯を手で弄びながら、ウチは口を尖らせて呟いた。
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