呪 い サ イ ト

―――ガラッ。

私は501号室に、3人の名前があることを
確認してから、扉を開けた。
すぐに莉音の声が。


「優子に優里ー! 来てくれたんだね」


そこには3人しかいなかった。
もともと6人部屋のようだが、
3人分空いている。

莉音は布団から出ている足首に、
包帯がぐるぐると巻かれてあった。
その包帯は、一部血で赤く滲んでいる。
だが、一番怪我が軽いようで、
顔色も優れていた。

寧々は布団から出ている脹脛に、
莉音と同じく包帯がぐるぐると
巻かれてあった。大部分が血で滲んでいる。
いつも明るい寧々だったが、
今はちょっと放心状態のようで、
私と優里が来たことに気付いていない。

幸恵は容態が悪いらしく、
緑色の呼吸器をつけていた。
顔色も優れていない。
太腿の傷がどんな風になっているのか、
気になった。血で真っ赤になってたりして。
そう思うと、なんだかうずうずしてくる。
それと同時に、申し訳ない気持ちが
こみ上げてきて……。自然と謝罪の言葉が
口から溢れ出た。


「ごめん……ごめんね……」


謝ったって、許されることではない。
けれど頭を床に擦り付け、土下座して
3人に謝る。3人は度肝を抜かれていた。
私と優里が来たことに、今やっと
気付いた寧々は特に。

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