呪 い サ イ ト

必然


幸恵が衝撃の告白をした、翌日の休み時間。
私は携帯を片手に、うんうん唸っていた。


「どうすればいいかな……」


人気の無い廊下を歩く。
携帯の持ち込みは、校則で
禁止されているからだ。
見つかったら即没収される。
それ程の危険を冒しながらも、
私はやりたいことがあった。


「早く書き込まなきゃ! あのサイトに」


どうやって幸恵の告白を食い止めるか、
昨日からずっと考えていた。授業中も
ノートを取らず、ずっとずっと。
いつの間にか、幸恵と莉音をどうやって
呪うか、に考えていることが変わったが。

あぁ……早く書き込んで、呪ってやりたい。
だがどうやって呪おうか……。
いっそ殺してしまいたいが、
殺すのは優里の役目らしいから……。
それが悩みどころだった。


「う~ん……」


呪いサイトの送信フォームを、
携帯に画面に開いていた。
漆黒の背景に、鮮血のように真っ赤な字。

画面をみつめ、考えながら歩く。
さっきからそれの繰り返しだった。
何度も何度も同じ場所を歩く。
勿論、全然前なんて見ずに。
この廊下に人なんていない。
そう信じきっていたから。

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