呪 い サ イ ト

「あ、そうだ……とりあえず」


―――かちかちかち。
私は送信フォームに、文字を打ち始めた。

〔森 幸恵と岸本 莉音〕

そこまで打った時だった。

―――どんっ!


「きゃぁっ!」


文字を打っていたため、
また画面しか見ていなかった。
誰かにぶつかり、反動で尻餅をついた。


「いったぁ……あ、携帯!」


ぶつかった時に、思わず携帯を手
放してしまったのだ。
どこかへぶっ飛んで行ってしまった。
携帯を持って来ていることが、
ばれたらマズい……!
没収されてしまう……!
しかも、開いているサイトが呪いサイト!
余計にマズい……!
私は慌てて携帯に手を伸ばした。
ぶつかった相手も確認せずに。
ぶつかった相手に謝りもせずに。


「あーあ……傷がついちゃうよ……」


だから白い携帯は嫌だな、と呟きながら、
私は携帯を掴んだ。

< 152 / 210 >

この作品をシェア

pagetop