呪 い サ イ ト
〔森 幸恵と岸本 莉音〕
画面の文字を見て安心した。
携帯を掴み直す。
指がボタン部分に触れた。
「・・・んっ?」
なんだか、ボタンの感触がいつもと
違うような気がして、声をあげた。
まさか……と思って、
ボタンをよく見てみる。
・・・そのまさかだった。
このボタンは、
私の携帯のボタンではない。
この携帯のボタンは、
少し白く濁っている。
だが、私のボタンはもっと透明で、
透き通っているはずだ。
携帯自体の形も、よく見れば違う。
私のはこんなにも角に丸みがない。
もっとシャープなデザインだ。
「えっ……でも」
もう一度、携帯の画面を見る。
〔森 幸恵と岸本 莉音〕
私が書き込んだことが、
きちんと表示されていた。
あの呪いサイトの送信フォームに。
それでも……
この携帯は、私のものではない。
ぶつかった相手のもの。
「どういう……こと?」
ハッとして、ぶつかった相手をみた。