呪 い サ イ ト
だから私は、優里を安心させるかのように、
笑いかけた。
「2人の秘密だよっ」
優里はこくん、と頷いた。
安心したのか、表情が緩んだ。
その時だった。ハッと何かに気が付き、
顔から血の気が引いていった。
弱々しい自分を見せていたことに、
気付いてしまったのだろう。
すくっと立ち上がり、
すぐに本性の表情になった。
あの強気な表情と発言。
「まぁ……優子にもこの幸せが、
味わえるようになってよかったじゃない」
今の優里は生気で満ち、
きらきらと輝いていた。
これでこそ優里だ。
私はこっちの優里のほうが好きだった。
「・・・優里が前に言ってたのって、
この呪いサイトのことだったんだ……」
病室でのことだった。
プールの事件で入院していた幸恵と莉音が、
見舞いに来た石神の手を握りしめていた。
その光景を見た後、優里が言ったことを、
私は思い出していた。
『今のウチはとっても幸せ。嫌な人を徹底的
に排除できるから。とても愉快なことだよ。
・・・優子にもこの幸せ、味わえるといいね。
まぁ……どうせ無理だろうけど?』
そう言って、私のことをくすくすと嘲笑った。