呪 い サ イ ト

優里は淡々と話していく。
まるで人事のように、
何の感情もなさそうにして。
事実だけを述べていた。


「そのくらい、よくあることだし……
偶然じゃないか、って思った。
けれど、携帯にメールが届いてたの。
呪いの実行を完了した、って。
もしかしたら本物かも……って思った。
だからもう一度試してみることにしたの。
今度は幸恵で、右手の親指って指定して。
読んでいた本のページの端で切るように。
そしたらやっぱり、幸恵は指を切ってた。
右手の親指……! 読んでいた携帯小説の
ページの端で切ったって言ってたよ。
それで、今度こそ確信した。
この呪いサイトは、本物っていうことを。
偶然なんかじゃなくて、必然だったの!」


「へぇ……すごいね。
そんな確認の方法があったとは……」


私は再び簡単の声を漏らした。
それを見て優里は「でもね」と、


「初めての大きい事故、事件だったから、
正直……起こるか不安だったんだけどね」


頬杖をついて、薄く笑っていた。


「まぁ……予定表が送られてきたから、
結構自信はついたよ」


「予定表?」


私は窓から見える遠くの景色を、
ぼぉっとみつめながら聞き返した。

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