呪 い サ イ ト

確かに……! それは名案だった。
女子しかできない業だ。
男子だったら、お菓子や携帯だと
思われてしまう可能性が高い。


「じゃあ、行って来るね!」


くるっと踵を返し、
廊下を走って教室に向かう。
校則違反だが、もうこの際関係ない。
後ろから優里の声が聞こえた。


「中に落としてしまわないよう、
気を付けてねー」


便器の中に携帯を落としてしまえば、
元も子もない……。
絶対にそれだけは気を付けなければ。
そう思いながら、鞄のチャックを開けた。
周りに誰もいないことを確認し、
こっそりと奥から携帯を取り出した。
そぉっとスカートのポケットへ入れる。
そしてトイレへとパッと駆け出した。
個室の部屋に入り、携帯を落としても
大丈夫なよう、角へ立つ。
音がしないよう、そっと携帯の画面を開く。
受信箱にあるメールから、
呪いサイトへと移動した。
闇を思わせるような漆黒の背景に、
鮮血のように真っ赤な文字。
そんな字の送信フォームに移った。
時間はあまりない。
早く書き込まなければ。
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