呪 い サ イ ト
―――かちかちかちかち。
思いつくがままの文章を
できるだけ早く打っていく。
今までで1番早く打っているような気がした。
だが、打っている音がまわりに聞こえて
いないかが、とても心配になった。
思わず手を止めてしまう。
ふと、雑音が耳に入ってきた。
こんなにもうるさいなら、
携帯で文字を打っている音なんて
聞こえないだろう。
安心して、再び打つ手を動かした。
「できた……!」
思いついたまま書き込んだため、
誤字、脱字、変な言葉や文章に
なっていないかを確かめた。
〔次の休み時間、1年1組の教室にて
紺屋 亜里沙は窓側で、石神 正輝に
突進をしようとする。それを石神は
紺屋を突き飛ばして回避する。
紺屋は勢い余って窓から転落する。
そして柵に突き刺さり、串刺し状態となる。
出血多量で救急車の中で一時心配停止
するが、なんとか一命をとりとめる。
全治半年で、二ヵ月半入院することに〕
よし、これでいいだよね……。
ごくり、と唾を飲む。
その音がやけに大きく聞こえた。
「・・・送信!」
送信したと同時に、授業が始まることを
知らせるチャイムが鳴り響いた。
私は携帯をポケットに突っ込み、
急いで教室へ戻るために走った。