呪 い サ イ ト
―――キーンコーンカーンコーン。
授業が終わり、休み時間が始まる
ことを知らせるチャイムが鳴り響いた。
今からが……亜里沙が転落する時間だ!
授業なんて、全く集中できなかった。
休み時間のことしか考えていなかった。
亜里沙がどんな風に転落するのかな。
どんな風に串刺しになるのかな。
真っ赤な鮮血が大量に溢れるのかな。
ドキドキ、わくわくが増していく。
私の鼓動が高鳴るそんな中、
教師は淡々と告げたのだった。
「よーし、休み時間になったが、
授業続けるぞー」
既に文字で埋められている黒板に、
更に文字を書いていく。
「は……!?」
私は理解できなかった。
今すぐにでも行かないと、
転落現場が見れないかもしれない。
それなのに……教師はそんなことを
考えずに……こちらの都合も考えずに、
授業を進めていくだなんて……!
信じられない……。
「はぁ……」
もう呆れて、掠れた溜め息をつくこと
しかできなかった。
よく考えれば、私の都合なんて
教師が知ってるわけもないし、
知られたくもないのだ……。
授業が終わるまで、窓から遠くの景色を
眺めながら、大人しく待つことにした。