呪 い サ イ ト

「え!? 駄目だよ、他の組の
教室に入っちゃ!」


私は思わず引っ張られた手を
逆に引っ張り返してしまった。

優里は1組だからいいけど、
私は3組なんだから……。
怖い先生に怒られるのは嫌!


「何生真面目なこと言ってんのよ、
今はパニック状態だから、ちょっと
入ったぐらいじゃ何ともないよ。
亜里沙の姿、見たくないの?」


「そりゃ見たいけど……」


「だったら入る! そして見る!」


私は優里に強引に腕を
引っ張られ、半ば強制的に
ざわついている教室へ入った。

窓際まで小走りで行く。
人が多くてよく見えない……。
私は身長が低くて、つま先立ちを
しても見えなかった。


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